コラム
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保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー vo4. 〜働きやすい園だった。それでも、わが子の入学式に出られないかもしれない働き方は続けられなかった〜
「働きやすい職場なら、長く働き続けられる」私は、どこかでそんなふうに考えていました。人間関係が悪くない。職場の雰囲気もいい。デジタル化も少しずつ導入され、以前より仕事も楽になっている。それなら、辞める理由は少なくなるはずです。 でも、今回の「保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー」で話を聞いて、その考えは少し変わりました。今回お話を聞いたのは、保育士として12年間働き、今年3月に退職した方です。 本人は、勤めていた園について、「働きやすいし、良い意味で緩い」と話していました。辞める人も少なく、結婚や引っ越し、定年などを除けば、長く働く人が多い職場だったそうです。それでも本人は辞めました。きっかけは、上のお子さんが小学校に入学することでした。 入学式に出られないかもしれない この方は、それまでフルタイムで働いていました。早番の日は朝6時45分に家を出る。遅番の日は、仕事が終わるのが19時を過ぎることもある。そんな働き方を続けていました。そして職場には、暗黙のルールがありました。「1日に休めるのは2人まで」というものです。 入学式でも卒業式でも、そのルールは変わりません。同じ年齢の子どもを持つ職員が3人いれば、誰か一人は休めない可能性があります。 本人は、「私は全部に出たかった」と話していました。だから、上のお子さんが小学校に入学するタイミングで、働き方を見直すことにしました。職場が嫌いだったわけではありません。人間関係が決定的に悪かったわけでもない。それでも、「子どもの節目に立ち会える働き方をしたい」という気持ちのほうが大きくなったのです。 「良い職場」と「自分に合う働き方」は同じではない 保育士の離職について考えるとき、 給与。人間関係。残業。持ち帰り仕事。 こうした分かりやすい問題に目が向きます。もちろん、どれも大切です。でも、今回の話は少し違いました。職場としては、本人自身が「いい職場」と感じている。それでも、家庭の状況が変われば、続けられなくなることがあります。特に保育士は、ほかの家庭の子どもを預かる仕事です。保護者が働いている時間に園を開けなければいけません。そのため、早番や遅番があります。学校行事がある日だからといって、職員全員が簡単に休めるわけでもありません。それは保育という仕事の構造上、簡単には変えられない部分もあるでしょう。 ただ、「保育士自身も、自分の子どもの親である」という当たり前のことを、改めて考えさせられました。 12年間のうちに、連絡帳は大きく変わった 一方で、働いていた12年間の中で、仕事のやり方はかなり変わっています。 この園では、勤務3年目ごろから「キッズリー」というアプリを導入しました。 欠席連絡。保護者からの連絡。けがなどのちょっとした報告。おむつがなくなりそうだという連絡。写真付きの園での様子。 こうしたやり取りが、少しずつアプリに移っていきました。導入当初は、戸惑いもあったそうです。年配の先生から、「次はどこを押すの」「文章がこんなふうになったけれど、どうしたらいいの」と聞かれる。 若い先生が自分の仕事をしながら、使い方を教えることもありました。それでも、この園では、「またやってるね」と笑いながら助け合える雰囲気があったそうです。本人は、「導入されて良かったという気持ちのほうが大きかった」と話していました。 25人分の連絡帳が、2〜3時間から1時間未満に ICT導入の効果が最も分かりやすかったのが、連絡帳です。多いときには、一人で25人ほどの子どもを見ていたそうです。手書きで25人分の連絡帳を書く。一人ずつその日の様子を思い出しながら、文章を考える。本人によると、それだけで2〜3時間ほどかかることがありました。 行事のあった日などは、家に持ち帰って書き、翌日に渡せるようにすることもあったそうです。それがアプリになってからは、「1時間もしないで終わった」といいます。文章をコピーできます。文字を打つほうが、手書きより早い。それだけでも、大きな違いです。AIのような新しい技術でなくても、単純に「手書きをやめる」だけで減らせる負担はまだあります。 ただ、デジタル化にも「運用」の問題があった 興味深かったのは、アプリそのものには比較的すぐ慣れた一方で、「使い方のルール」をそろえるまでには半年から1年ほどかかったという話です。 ある先生は毎週投稿する。別の先生はあまり投稿しない。一人の子どもの写真をたくさん載せる先生もいれば、クラス全体の写真が中心の先生もいる。写真の枚数にもばらつきがある。ツールを入れたからといって、すぐに園全体の運用が整うわけではありません。 何をどのくらい投稿するのか。誰が担当するのか。どこまで統一するのか。 こうしたルールを作る時間が必要でした。 ICT導入というと、「システムを契約すること」に目が向きます。でも実際には、導入後の運用をどう整えるかのほうが大変なのかもしれません。 AIは「考える代わり」ではなく、言葉に詰まったときに使った この方は、ChatGPTやGeminiも日常的に使っています。保育現場でも使った経験がありました。年度末のクラスだよりでは、一年間を振り返りながら、一人ひとりに向けた文章を書くことがあります。人数が多ければ、当然文章も増えます。 しかも、「同じ言葉ばかりにならないようにしたい」という難しさがあります。そこで、「この子はこういう特徴がある」というキーワードをAIに入れて、文章を考えてもらう。 同じ表現が続いたときには、「この言葉の別の言い方は何?」と聞く。そういう使い方をしていたそうです。全部AIに任せるというより、「自分の中にあるものを文章にする手助け」として使っています。これは、現場でのAI活用を考えるうえで分かりやすい例だと思います。 でも、AIを使っていることはあまり話さない 職場全体では、AI活用が広がっていたわけではありません。お楽しみ会で、自分の顔をAIでイラストにしてTシャツにする。そんな楽しい使い方はあったそうです。一方で、書類作成などにAIを使っているという話は、あまり共有されていませんでした。 本人の感覚では、30代以下の先生は使っている人もいる。でも、40代以上になると、「これまで自分で考えてきた」という感覚が強い人もいる。だから、若い先生もあえて口に出さない。そんな雰囲気もあったそうです。AIを使えるかどうかより、「使っていると言える職場か」という問題もあるのでしょう。 SNSをやらなかった理由は「必要がなかったから」 今回、もう一つ面白かった話があります。この園は、InstagramなどのSNS運用をしていませんでした。理由はシンプルです。「やらなくても園児が集まるから」です。 毎年、定員を超えるほど希望者がいる人気の園でした。だから、新たにSNSを運用する必要性がなかった。しかもSNSを始めれば、「誰が投稿するのか」という仕事が増えます。 事務所の先生ができないなら、若い先生に任せることになるかもしれない。本人は、それについて、「余計な仕事だと思う」と話していました。これはかなり重要だと思います。 今は、「保育園もSNSをやったほうがいい」「Instagramで園の魅力を発信したほうがいい」という話も多くあります。でも、必要がないなら、やらない。目的がない仕事を増やさない。これも立派な業務改善です。 家で働きたいと思い、Webデザインを学んだ 退職を考える中で、この方は別の準備もしていました。「家でできる仕事がしたい」と思い、オンラインのWebデザインスクールに通ったそうです。 フルタイムで保育士として働きながら、子育てもする。時間に余裕がある生活ではありません。それでも、少しずつ学んでいました。 退職後すぐに完全な在宅ワークになったわけではなく、現在は別業種でパートとして働く予定だそうです。それでも、「保育士しかできない」と決めつけず、違う働き方を探している。ここにも今回のインタビューらしさを感じました。 保育士を辞めることは、保育という仕事を否定することではありません。人生の状況に合わせて、働き方を変える。それだけのことなのかもしれません。 最後の年、年少15人を一人で見ていた インタビューの最後に、「保育業界がもっとこうなったらいい、と思うことはありますか」と聞きました。そこで出てきたのが、人員配置の話でした。 最後の年、この方は年少児15人を一人で担当していました。その中には、支援を必要とする子も一人いました。本人の説明では、配置基準上は問題ありません。ただ、その子に一人の補助職員をつけられるほどの予算はなかったそうです。同じ学年の別クラスでは、より支援が必要な子がいるため補助の先生が配置されていました。その先生たちが余裕のあるときに、自分のクラスを助けに来てくれることもありました。 そのとき本人は、「すごく楽だった」と感じたそうです。普段は、支援の必要な一人の子を追いかけながら、残り14人を見る。その子が保育室から出てしまえば、「ちょっと待っていて」とほかの14人に伝え、探しに行く。そんな状況もありました。 この話は、文字だけでも怖さがあります。先生が頑張れば何とかなる。配置基準上は問題ない。それで終わらせていいのか。考えさせられました。 ICTで2時間減らせても、一人で15人を見る現実は変わらない 今回の話では、ICTの効果がかなりはっきり出ていました。25人分の連絡帳が、2〜3時間から1時間未満になった。これは大きな変化です。AIも、文章を考える補助として使える。業務改善できる部分は、まだたくさんあると思います。 でも、それですべてが解決するわけではありません。連絡帳が早く終わっても、一人で15人を見る状況は残ります。AIが文章を作れても、子どもが保育室から出てしまったときに追いかけてくれるわけではありません。そして、仕事が効率化されても、「自分の子どもの入学式に出られるか」という働き方の問題は別に残ります。ここを混同してはいけないのだと思います。 保育士が長く働ける条件は、一つではない 今回の話を聞いて、「保育士が辞めない職場を作るには、何を改善すればいいのか」という問い自体が、少し単純すぎるのかもしれないと思いました。 ICTを入れる。AIを使う。給与を上げる。人間関係を良くする。人を増やす。休みを取りやすくする。全部必要でしょう。 でも、人によって必要なものは違います。20代と30代でも違う。独身のときと、子どもが生まれたあとでも違う。子どもが保育園に通っている時期と、小学校に上がったあとでも違います。職場が変わらなくても、働く人の人生は変わっていきます。 だから、「この園は働きやすいから大丈夫」ではなく、「その人が今も働き続けられる環境になっているか」を見続ける必要があるのでしょう。 今回お話を聞いた方は、園そのものを嫌いになって辞めたわけではありません。むしろ、いい職場だったと話していました。それでも、自分の子どもの節目に立ち会える働き方を選びました。 この話から、「保育士自身の生活を守りながら働ける保育現場とは、どんな場所なのか」という新しい問いが見えてきました。 「保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー」で、引き続き現場の声を聞いていきたいと思います。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー vo.3 〜「もう保育士にはならない」と辞めた。それでも現場に戻りたくなった理由〜
保育士の仕事について調べると、「大変」という言葉を目にすることが多くあります。 書類が多い。人手が足りない。給与や待遇の問題がある。人間関係が難しい。そして近年は、不適切保育や虐待などのニュースも目立つようになりました。 もちろん、こうした課題から目を背けるべきではありません。でも、それだけで保育という仕事を語っていいのでしょうか。 今回の「保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー」でお話を聞いたのは、保育士として約10年間働き、主任も経験した方です。現在は現場を離れ、大学で保育士を目指す学生たちと関わる仕事をしています。 退職するときには、「もう絶対に次は保育士にはならない」と思っていたそうです。ところが、現場を離れてみると、また戻りたくなったといいます。なぜなのでしょうか。 話を聞いていくと、保育の大変さと、それでもこの仕事を好きになる理由の両方が見えてきました。 「もう一回、区切りをつけよう」と思った 保育士として約10年働き、主任も経験しました。退職するとき、次の仕事を決めていたわけではありません。10年働いたことを一つの区切りとして、いったん現場を離れようと考えたそうです。 いろいろなことを経験し、後輩たちに任せてもいいと思えるようになった。本人の中では、一度やり切ったという感覚もあったようです。だから退職するときは、「もう絶対に次は保育士にはならない」と思っていました。 まずはゆっくりしよう。次は違う仕事をしてみよう。そんな気持ちで現場を離れました。でも、離れてみると気持ちが変わりました。「やっぱり、離れれば現場に戻りたくて」自分でも、「やっぱり好きみたいです」と話していました。 一度は「もうやらない」と思った仕事に、なぜ戻りたくなるのか。この話が、今回のインタビューで強く印象に残りました。 現場では、仕事を減らすための工夫もしてきた もちろん、保育士時代が楽だったわけではありません。勤務していたのは、50年以上続く公設民営の保育園でした。市のルールもあり、デジタル化は簡単には進みませんでした。午睡チェックも、お帳面も手書きでした。パソコンも各クラスに1台あるわけではありません。デジタル化しようとしても、パソコンを使うために事務所まで行かなければならず、場合によっては職員同士でパソコンを使うタイミングが重なります。 そのため、「それなら部屋の隅でさっと書ける手書きのほうがいい」という先生がいるのも自然なことでした。そこで、パソコンでも手書きでも、好きな方法を選べるようにしました。一見すると柔軟な方法です。ところが、主任だった本人には別の負担が生まれます。紙で提出されたものを、最終的にデータ化する必要があったのです。「データでもらっていたら、コピーして使えたのに」と思いながら、自分で入力していたそうです。便利にするための仕組みが、別の人の仕事を増やしてしまう。 デジタル化を考えるときには、こういう現実も見なければいけないのでしょう。 残業を減らしたのは、新しいシステムだけではなかった 興味深かったのは、働いていた10年の間に、残業がかなり減ったという話です。新人のころは、残業するのが当たり前でした。ところが、少しずつ働き方が変わり、退職するころには残業はほとんどなくなっていたそうです。 では、何が変わったのでしょうか。 人員が増え、休憩を取ったり、その時間を使って事務作業を進めたりできるようになったこともあります。それ以上に印象的だったのが、「そもそも書くものを減らした」という話でした。 月案にも書いてある。別の書類にも同じようなことを書いている。それなら、一つにまとめてもいいのではないか。「重なっているところがあるよね」「ここはもういらないのではないか」そんな話を園の先生たちとしながら、項目そのものを減らしていったそうです。 業務改善というと、AIや新しいシステムを導入する話になりがちです。でも、その前に、「この仕事は本当に必要なのか」を考える。それだけでも、現場は変えられるのだと思います。 AIを使えば楽になる。でも、それだけでは足りない 現在、この方は大学で保育士を目指す学生たちと接しています。そこで新しく出てきたのが、AIの問題です。学生たちにとってChatGPTは、すでに身近な存在になっています。 レポートを見て、「これは本当に本人が書いたのかな」と思うこともあるそうです。大学の先生たちの考え方もさまざまです。内容を理解したうえで、自分の言葉に書き換えればいい。自分で説明できるならいい。そのまま使うこと自体は止めないものの、それでは本人の身にならないと考える先生もいる。完全に禁止するのではなく、どう使うかを考えている段階だといいます。 本人もAIを否定していません。むしろ、「使いこなせば保育士の負担は減る」と考えています。ただし、条件があります。「子ども一人ひとりをちゃんと見たうえでAIを使うこと」です。 新人時代は、本の文章をそのまま使って怒られた この話を聞いていて印象に残ったのが、本人の新人時代の経験です。新人のころ、カリキュラムをどう書けばいいのか分からなかった。そこで保育の本をたくさん買い、「本から全部丸パクリするぐらい」参考にしていたそうです。 すると先輩から、「自分のクラスの子どもの実態と合っていない」と指摘されました。本人としては、「でも、書けないから……」という状態です。そこから先輩に教えてもらいながら、少しずつ書けるようになりました。 この経験は、今のAIにも近いように思います。昔は本でした。その後、インターネットやInstagram、YouTubeが使われるようになりました。そして今はAIがあります。 道具は変わっても、「参考にしたものを、そのまま目の前の子どもに当てはめていいのか」という問題は変わっていません。AIだから考えなくなるのではなく、どう考えながら使うかを教える必要があるのでしょう。 本人も、「正しく、自分で理解を持って、責任が取れる使い方をしていく」という考えを話していました。園としてルールやマニュアルを作り、AIの使い方を共有することも必要ではないかといいます。 AIを禁止するのでもない。AIに全部任せるのでもない。この間をどう作っていくのか。これから保育士になる学生たちと接しているからこそ、感じている課題なのだと思います。 今は「保育士になる前」の学生を見ている 現場を離れた現在、本人の視点にも変化がありました。実習前の学生と接すると、「自分もこういう気持ちだったんだな」と気づくそうです。学生からは、「実習がしんどかった」「実習記録が大変だった」という声も聞きます。 実際の保育現場を見て、「自分は保育士になりたくない」と感じてしまう学生もいます。一方で、本人が現在働いている養成校でも、学生数が減っていることを実感しているそうです。本人が学生だったころと比べても、大きく減っています。ただでさえ保育士不足が課題になっている中で、目指す人まで減っていく。 だから今は、「この子たちが、いかに保育士や幼児教育の道に期待を持って進んでくれるか」を考えるようになったといいます。現場にいたころとは、まったく違う視点です。 「保育は大変」だけでは、次の人が来なくなる インタビューの最後に、「保育業界がもっと良くなるために、何が必要だと思いますか」と聞きました。そこで出てきたのが、「保育の魅力をもっと伝えたい」という話でした。 SNSやニュースでは、不適切保育や虐待などが大きく取り上げられます。もちろん、それらを隠すべきではありません。ただ、それだけを見ていると、「保育士は大変そう」「怖い仕事なのではないか」という印象ばかりが強くなります。一方で、園のInstagramを見ると、職員のルーティンやエプロン紹介などが発信されている。本人は、そこにも少し違和感があると話していました。保育士を目指す学生が本当に知りたいのは、それだけではないのではないか。 子どもと関わること。保護者と関わること。職員同士で関わること。対人援助の仕事だから、大変なことはたくさんある。でも、その分だけ、この仕事でしか得られないものもある。そこをもっと伝えられないか。 そんな話でした。 「先生!」と戻ってきてくれる では、本人にとって、保育士の何がそんなに良かったのでしょうか。最後に聞いてみました。 卒園した子どもたちが、園に帰ってきてくれる。自分の顔を見て、「先生!」と呼んでくれる。その子たちの卒業を見届けられる。中には、「先生になりたい」と言って戻ってきてくれる子もいる。そして毎朝、自分の顔を見た子どもが、「おはよう」と言ってくれる。それだけで、「今日も頑張ろう」と思えたそうです。 本人は、それを「人とのつながり」と表現していました。保育は、対人援助の仕事です。だからこそ、人との関係に悩むこともあるでしょう。書類もあります。業務も多いです。改善しなければいけないことも、まだたくさんあります。それでも、人と関わる仕事だからこそ生まれる喜びもあります。 「大変さをなくすこと」と「魅力を伝えること」の両方が必要なのかもしれない 今回の話を聞くまで、保育業界を良くすることを考えるとき、どうしても「負担をどう減らすか」に意識が向いていました。 書類を減らす。デジタル化する。AIを使う。残業を減らす。 もちろん、どれも必要でしょう。 でも、それだけでは「保育士になりたい人を増やす」という問題までは解決できないのかもしれません。仕事の大変さを減らすこと。そして、その仕事にしかない魅力を伝えること。両方が必要です。 「もう絶対に保育士にはならない」そう思って現場を離れた人が、離れてみたらまた戻りたくなった。そこには、効率化だけでは説明できない何かがあります。子どもから「先生」と呼ばれること。卒園した子が戻ってきてくれること。その子が大きくなって、「先生になりたい」と言ってくれること。 こういう話は、業務負担や待遇の数字だけを見ていても出てきません。保育の課題をきちんと改善しながら、保育の魅力もきちんと伝える。 では、その魅力をこれから保育士を目指す人たちに、どう届けていけばいいのでしょうか。「保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビュー」で現場の声を聞きながら、引き続き考えていきたいと思います。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園・幼稚園・子ども園の現場 100人インタビュー vo.2 〜手書き書類はほぼゼロ。それでも仕事は増えていく? 現役保育士に聞いた「デジタル化のその先」〜
保育園・幼稚園・子ども園の現場をデジタル化すれば、先生たちは楽になる。私自身、そう考えてきました。紙の書類をなくす。電話連絡を減らす。過去の計画をコピーして使えるようにする。こうした仕組みが入れば、業務時間はかなり短くできるはずです。 今回お話を聞いたのは、2つの法人で勤務経験を持つ現役の男性保育士の方です。現在の園では、年間指導計画や月案、保護者との連絡、欠席連絡など、多くの業務がデジタル化されています。 本人の言葉では、「もう手書きの書類は正直ほぼない」という状態です。前に働いていた園と比べても、書類の負担はかなり減ったそうです。ここまで聞くと、「やはりデジタル化を進めればいい」という話に見えます。 でも、話を聞いていくうちに、少し違う問題が見えてきました。業務が効率化されても、新しい仕事が増えていく。そしてAIを入れれば、必ず保育の質が上がるわけでもない。 今回のインタビューから考えたいのは、「仕事を楽にすること」と「本当に大事な仕事に時間を使うこと」は同じなのか。ということについてです。 今の園では、手書きも電話もほとんどない 現在の園では、「コミュナビ」というシステムを使っています。 年間指導計画 月案 保護者との連絡 欠席連絡 こうした業務の多くがシステム上で完結しています。電話連絡もほとんどありません。前の職場では、デジタル化は進み始めていたものの、まだ手書きとデジタルを行ったり来たりしていたそうです。 指導計画をパソコンで作っても、「添削するなら手書きのほうが分かりやすい」という意見が出て、紙に戻ることもあったといいます。 たしかに、紙に赤字で書けば、「ここをこう直して」と伝えやすいです。 一方、デジタルだと、「どこに修正を書けばいいのか分からない」という問題もあります。これは、デジタルにすればすべて解決するわけではない、分かりやすい例だと思います。 現在の園では、大きな修正がそもそも少なく、必要なら口頭で伝えることで補っています。システムだけではなく、人同士のコミュニケーションでうまく埋めているわけです。 「こんなに少なくなるんだ」と感じた 今の園に転職してから、この方は書類作成の負担がかなり減ったと感じています。もともと文章を書くのが得意ではなく、白紙から一から文章を作ることに負担を感じるタイプだったそうです。 でも、過去の文章を参考にしたり、コピーして一部を変えたりできれば、かなり楽になります。 本人は前職について、「負担が大きいと感じて辞めた部分もあった」と話していました。そして現在の環境を経験して、「こんなに少なくなるんだ、時短になるんだ」と感じたそうです。これはかなり大きな話だと思います。 書類の作り方やシステムの違いだけで、同じ保育士という仕事でも負担感が大きく変わる。しかも本人は、転職前にはここまでデジタル化されているとは知らなかったそうです。 園見学のときにシステムの説明は受けていました。でも、実際に働いて初めて、「ここまで違うのか」と分かった。働く人にとって、どんなデジタル環境があるのかは、給与や休日と同じくらい重要な情報になっていくのかもしれません。 AIも使う。でも「AIありき」は違う この方は、AIにもかなり詳しいです。ChatGPTの有料版を使い、Gemini、NotebookLM、Sunoなども触っています。副業でライターの仕事もしていて、記事制作のリサーチや下書きにもAIを使っています。 さらに本業でも、「勤務表をAIで作れないか」と模索しているそうです。主任や管理職が時間をかけて作っているシフト表を、AIで少しでも楽にできないか。これは、かなり現実的な使い方だと思います。 ただ、AIを保育に入れることについては、かなり慎重な考えも持っていました。保育に特化したAIがあれば使いたい。でも、「AIありきでできるかというと、違う」と話しています。 理由は、新人の先生です。 新人がAIを使うと、保育の質が落ちるかもしれない この話は、かなり印象に残りました。 子どもの姿を見る その姿から何が必要かを考える それを文章に落とす そして、先輩に見てもらって直す こうした経験を重ねながら、先生は少しずつ育っていきます。もし1年目や2年目の先生がAIを使って、「それっぽい文章が出た」「読んだけれど、まあ大丈夫そう」で終わってしまったらどうなるか。 本人は、「保育の質が逆に落ちるのではないか」と心配していました。これは、AI導入を考えるうえで避けてはいけない問題です。文章として自然だから、内容も正しいとは限りません。AIは、「正解っぽいもの」を出すのが非常に得意です。 でも、目の前の子どもを知っているわけではありません。その子に本当に合っているのか。今のクラスの状態に合っているのか。最後に判断するのは先生です。 その判断力がまだ育っていない段階でAIに頼りすぎれば、たしかに危険でしょう。 ただ、新人は昔から「真似」をしてきた 一方で、話していて別の視点も出てきました。 新人の先生は、これまでも完全にゼロから文章を書いていたわけではありません。 先輩の文章を参考にする。本を買う。インターネットで例文を探す。似た表現を持ってきて、自分の文章にする。 本人自身も、新人のころは先輩の文章や本を参考にしていたそうです。時には文章をほとんどそのまま使って怒られ、「この書き方は違うんだ」と教えてもらいながら覚えていったと話していました。そう考えると、AIは「ものすごく性能の高いテンプレート」と見ることもできます。 問題は、AIを使うことそのものではありません。出てきた文章を、「なぜこう書くのか」「本当に目の前の子どもに合っているのか」と考える仕組みを残せるかどうかです。 AIが新人教育を壊すのか。それとも、新人教育の教材として使えるのか。ここは、ツールの設計だけではなく、園側の使い方にも左右されそうです。 デジタル化したのに、新しい仕事も増えている そして、今回もう一つ気になったのがInstagramの話です。この園では、クラスごとに担当を決めてInstagramを運用しています。子どもたちの活動を撮影し、写真や動画を編集して投稿しています。さらに、園内では月1回ドキュメンテーションも作っています。 ここで本人が話していたのが、「何のためにInstagramをやっているのか、もう少し明確にしたほうがいい」ということでした。 在園している保護者に日常を見せるためなのか 園児募集のためなのか 採用のためなのか 目的がはっきりしないまま、「今はInstagramも必要だから」と業務だけ増えてしまえば、せっかくデジタル化で減らした負担が別のところで戻ってきます。これは、デジタル化を考えるうえでかなり重要な話だと思います。 効率化すると「空いた時間」に新しい仕事が入ってくる 技術によって仕事を10減らしたとします。すると、その10が全部「余裕」になるとは限りません。 ・Instagramを始める・動画を編集する・園児募集のイベントを増やす・保育の質を高めるために新しい記録を始める・新しい研修をする 気づけば、減らした仕事の代わりに別の仕事が入ってきます。私自身、AIについて話していると、「AIで効率化したら先生が楽になる」と考えがちです。 でも、効率化したあとに何をするかまで考えなければ、本当の意味で先生の負担は減らないのかもしれません。本人も、「そもそも何のためにしているのかを考えて、増やすべきものと減らすべきものを話し合えたらいい」と話していました。 この言葉は、かなり本質的だと思います。 空いた時間を「もっと子どもを見る時間」にできるか もう一つ面白かったのが、自己投資について聞いたときの回答です。 この方は、モンテッソーリ教育の本や保育雑誌、傾聴やコミュニケーションの本などを買って学んでいます。一方で、セミナーなどにはあまり参加していません。なぜか。忙しいからです。 ただ、現在は業務負担が以前より減っています。では、その空いた時間に大量の研修を受けているかというと、そうでもありません。 本人は、「今までできていなかったから、もうちょっと子どもの姿を見て、必要なものは何かを考える時間に使っている」と話していました。 これは、かなり大事だと思いました。効率化によって生まれた時間を、さらに別の業務で埋める必要はありません。 子どもを見る。考える。少し余裕を持つ。それ自体に価値があります。「空いた時間=生産性が足りない」と考えてしまうと、永遠に仕事は減りません。 AIを入れる前に、「何のための仕事か」を問い直す 今回のインタビューでは、AI活用についてたくさん話しました。 指導案 シフト表 ライティング 保育特化AI どれも可能性があります。でも、最後に一番残ったのは、「何のためにやっているのか」という問いでした。指導案は何のために書くのか。Instagramは何のために更新するのか。ドキュメンテーションは何のために作るのか。AIを何のために入れるのか。 ここが曖昧なままだと、どれだけ便利なツールを導入しても、業務は減らないでしょう。むしろ、新しいツールが新しい仕事を生み出すことすらあります。 だから、AI導入より前に、「これは本当に必要な仕事なのか」「この仕事によって、誰にどんな良い変化を起こしたいのか」を考えたほうがいいのだと思います。 余裕があることも、保育の質なのかもしれない インタビューの最後には、保護者についての話も出ました。 本人は、「保護者にも、もっと自分の子どもに向き合う余裕があるといい」と話していました。 物価が上がる。仕事が忙しい。生活に余裕がない。そのストレスが、家庭にも園にも影響しているのではないか。先生だけではなく、保護者にも余裕がない。それが巡り巡って、子どもにも影響する。そう考えると、「余裕」は単なるぜいたくではないのかもしれません。 先生が少し落ち着いて子どもを見る。保護者が少しゆっくり子どもの話を聞く。そのために、減らせる仕事を減らす。 今回の話を聞いて、デジタル化やAIの目的は、作業時間を短くすることだけではないと思いました。人に「余裕」を返すこと。そして、その余裕を子どもに向けられるようにすること。そこまでできて、初めて業務効率化が保育の質につながるのでしょう。 AIを導入するか。デジタル化を進めるか。 その前に、「何のための仕事なのか」を一つずつ問い直す。今回のインタビューから、また一つ大きな問いをもらいました。引き続き、現場の声を聞いていきます。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園・幼稚園・認定こども園の現場 100人インタビュー vo.1 〜元公立保育園の保育士に聞いた、本当に時間を使いたい仕事〜
保育現場でAIを使うと聞くと、少し不安になる人もいると思います。 「本当に必要なのはAIなのでしょうか?」 私自身、保育園・幼稚園・子ども園の現場100人インタビューを続けながら、「AIは現場のどこまで入っていいのだろう」と考えています。 このインタビューは、AIを保育現場に広めるために行っているものではありません。先生たちが実際に何に困り、何を大切にして働いているのか。その声を聞いたうえで、本当に必要な仕組みを考えるための企画です。 今回のお話を聞いたのは、2024年まで公立保育園で働いていた元保育士の方です。現在は保育現場を離れ、AIを使いながらLP制作やコーディング、画像制作などを独学で学び、在宅で仕事をしています。 話を聞く前は、公立保育園のデジタル化やAI活用について聞くつもりでした。でも、最後に残ったのはもっと根本的な問いでした。「保育士は、本当は何に時間を使う仕事なのか」という問いです。 児童票も、要録も、連絡帳も、週案も手書きだった 先生が働いていた公立保育園では、かなり多くの書類が手書きだったそうです。 児童票 小学校に提出する要録 連絡帳 週案 日案 年間計画や月案 退職する少し前になって、ようやく月案や年間計画をパソコンで作れるようになったといいます。それ以外でパソコンを使うのは、お便りや会議の議事録くらいでした。当然、仕事にはかなり時間がかかります。 しかも、公務員なので、本来は個人情報を含む書類を家に持ち帰ってはいけません。それでも仕事は終わりません。そのため、実際には持ち帰って仕事をすることもあったそうです。ルールでは禁止されている。でも、時間内には終わらない。この矛盾を、現場側が抱え込んでいました。 パソコンになっただけで「やったー」と思った 月案などをパソコンで作れるようになったとき、現場の反応はどうだったのか聞いてみました。 返ってきたのは、「やったーですよ。やったー、やったー」という言葉でした。理由はシンプルです。前年度のデータをコピーできるからです。 歌や活動内容など、その年の子どもたちに合わせて変える部分だけを書き直せばいい。一から全部手書きする必要がなくなりました。それだけでも、かなり負担が減ったそうです。 一方で、こんな話もありました。 先生たちが時間をかけて一生懸命作った計画書でも、監査では短時間で確認されて終わることがある。もちろん、監査のためだけに書類を作っているわけではありません。 ただ、現場の負担感として、「ここまで時間をかけて作る必要があるのだろうか」と感じる場面があったことは伝わってきました。 「保育士しかできない」と思っていた ご本人自身、保育士時代はパソコンが得意だったわけではありません。むしろ、自分も苦手な側だったと話しています。ところが退職後、在宅で働こうとしたときに、パソコンを使えないことが大きな壁になりました。 そこで、独学で学び始めました。分からないことはAIに聞く。LPの作り方も、コーディングも、画像制作も、必要になるたびに調べて実際に仕事をする。そうして現在では、複数の仕事につながっています。 ご本人は、「保育士しか働けないのが嫌だった」と話していました。これは印象に残りました。 専門職として働いていると、その仕事以外のスキルを身につける時間が取りにくくなります。実際、この方も保育士として働いている間は、毎日の仕事に追われて、自分のために勉強するところまで手が回らなかったそうです。退職して初めて、新しい仕事を学ぶ余裕ができた。 そしてAIが、その学びを助けてくれました。 AIを使うなら、まず文章を整えてほしい もし今、もう一度保育現場で働くなら、AIを使いたいか。 そう聞くと、「使いたいですよね」という答えでした。特に使いたいのが、文章作成です。 保育士が書く連絡帳は、保護者の手元に残ります。そして、文章の受け取られ方によっては、「先生、こう書いてありますけど、どういう意味ですか」と確認されることもあります。内容そのものは間違っていなくても、表現が強く見えたり、意図とは違う意味で受け取られたりすることがあります。 そこで、自分が書いた文章をAIに渡して、「保護者に伝わりやすい表現にしてください」と整えてもらう。 こうした使い方には、かなり可能性を感じていました。ただし、子どもの個人情報をそのまま外部のAIサービスに入力するわけにはいきません。公立園では特に、情報管理のルールが厳しく、パソコンがオフライン環境で使われていることもあります。 AIを使えばいい。そんなに簡単な話ではありません。セキュリティや自治体側の仕組みまで整えなければ、現場だけでは進められない問題があります。 年長担任が1月から3月まで抱える「要録」 AI活用の話のなかで、特に具体的だったのが「要録」の話です。年長児の担任は、小学校に引き継ぐための書類を作成します。この作業が、とても大変だそうです。特に難しいのは、言葉の選び方です。子どもの姿を正確に伝えなければいけない。 でも、表現によっては保護者が見たときに気になる内容になるかもしれない。一人ひとりについて考えながら文章を作る必要があります。この方自身、この作業に1月から3月までかなりの時間を使うそうです。 そして、「要録が大変だから、年長担任を持ちたくない」という先生もいると話していました。 これを聞くと、AIで文章の下書きを作ることは、かなり現実的な支援に見えます。 もちろん、AIが子どもを見ているわけではありません。子どものことを知っているのは先生です。でも、先生が把握している事実や振り返りを入力し、それを適切な文章に整える部分まで、先生が一から全部やる必要があるのでしょうか。ここは分けて考えてもいいのかもしれません。 「考えること」と「文章を書くこと」は同じなのか 今回、私から開発中のAIツールについても話しました。過去の指導案などをもとに、月案・週案・日案のたたき台をAIで作る仕組みです。 ただ、開発しながら悩んでいることがあります。経験のある先生なら、AIが作った案を見て、 「このクラスには合わない」「ここは直そう」と判断できます。 でも、新人の先生の場合、「AIが出したから、これでいいのだろう」と、そのまま使ってしまう可能性があります。 それでは、先生自身が考えなくなるのではないか。そんな話をすると、この方から返ってきたのは、「考えることが正義という考え方にこだわりすぎなくていいのではないか」という意見でした。 もちろん、子どものことを考えなくていいという意味ではありません。重要なのは、何について考えるのかです。 七夕の活動をする 笹飾りを作る そのために必要な計画書の文章を、一から何時間もかけて作る。そこまで人間がやる必要があるのか。AIに案を作ってもらい、実際に保育をしてみる。うまくいかなかったら振り返る。その振り返りを次の計画に反映する。 こちらのほうが、むしろ本来の「考える仕事」に近いのかもしれません。 書類作成はAIに任せて、「動くのは人間」 今回のインタビューで、とても印象に残った言葉があります。 「書類作成はAIに任せて、動くのは人間」という考えです。 保育という仕事は、人と人が関わる仕事です。子どもの表情を見る。今日はいつもより元気がないと気づく。友達との関係を見守る。保護者の話を聞く。集団活動に入れない子がいたら、その子にどう寄り添うか考える。 こうしたことは、AIが代わりにやってくれる仕事ではありません。 一方で、週案を書く。月案を書く。要録の文章を整える。会議資料を作る。研究発表の文章をまとめる。こうした仕事の一部は、AIでも補助できるようになっています。 では、人間にしかできない仕事に、もっと時間を戻したほうがいいのではないか。今回の話を聞いて、ぼく自身の問いも少し変わりました。 「AIを使うと保育士が考えなくなるか」ではなく、「保育士には、何について考える時間を残すべきなのか」と考えたほうがいいのかもしれません。 事務や雑務が増えすぎて、子どもを見る時間が減っている インタビューの最後に、保育業界を良くするなら何を変えたいか聞きました。 そこで出てきたのが、仕事量と人間関係の話でした。 ご本人の感覚では、保育士として働いているのに、「事務や雑務に使う時間のほうが、子どもに関わる時間より多い」と感じる場面があったそうです。 保護者対応 書類 製作 行事準備 会議 ほかにもやることはたくさんあります。 その結果、本来もっと見てあげたい子どもを、十分に見られないことがあります。問題行動がある子や、けがにつながりそうな子に注意が集中し、落ち着いて活動している子を十分に認めてあげられない。そんな葛藤も話していました。 ここは、AIだけでは解決できない話でもあります。 最後に残るのは、人の問題だった さらに、この方自身が保育士を辞めた大きな理由の一つは、人間関係でした。新人や実習生に厳しく当たる職員。昔からの保育観を強く求める先輩。子どもに寄り添いたくても、「集団行動なのだから連れてきなさい」と言われる環境。 そうした職場では、若い先生が疲れて離れていってしまいます。 ご本人は、保育士資格を持ちながら医療事務など別の仕事に進んだ人も身近にいると話していました。ここはAIでは直せません。書類がすべて自動化されても、人間関係が悪ければ働き続けるのは難しいです。 むしろAIによって事務仕事が減れば、「人間にしかできない仕事とは何なのか」が、今まで以上にはっきりしてくるのかもしれません。 子どもに向き合うこと 保護者に向き合うこと 後輩に教えること 困っている同僚を助けること そこに、人が時間を使える職場を作る。そのためのAIなら、現場に入る意味はありそうです。 AIを入れることが目的ではない 100人インタビューは、AIを普及させるために行っている企画ではありません。現場に何が必要なのかを知るために、直接話を聞いています。 今回の話を聞いても、「すべてAIにすればいい」という結論にはなりませんでした。 個人情報の問題があります。新人育成の問題もあります。そもそも職場の人間関係という、AIではどうにもならない問題もあります。 ただ、「人がやらなくてもいい仕事に、人の時間を使いすぎていないか」という問いは、これから考えていきたいと思います。 AIに仕事を奪わせるのではなく、人間に時間を返す。そして、その時間を子どもに使う。今回のインタビューから見えてきたのは、そんなAI活用の形でした。引き続き、現場の声を聞いていきます。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園のデジタル化とは?「保育に向き合う時間を増やす3つの方法」
保育園では、連絡帳や登降園管理、保護者へのお知らせ、職員間の情報共有など、さまざまな業務でデジタル化が進んでいます。 保育園のデジタル化とは、これまで紙や手書き、電話などで行ってきた業務にデジタルツールを取り入れ、仕事を効率化することです。ただ、デジタルツールを導入すれば、必ず仕事が楽になるわけではありません。使い方によっては、かえって作業が増えてしまうこともあります。 大切なのは、デジタル化によって「何が楽になるのか」を考えることです。この記事では、保育園でデジタル化できる主な業務や、保育に向き合う時間を増やすための活用方法についてご紹介します。 保育園のデジタル化とは? 保育園のデジタル化とは、園内で行われている紙や手作業をデジタルツールに置き換え、仕事を効率化する取り組みです。 たとえば、次のような業務があります。 ・連絡帳・出欠管理・登降園管理・保護者へのお知らせ・職員間の情報共有・書類の作成や管理・写真の管理や販売 こうした業務をデジタル化すると、手書きや転記、紙の配布・回収などにかかっていた手間を減らせる可能性があります。使いにくいシステムを導入した結果、「紙とデジタルの両方に入力することになった」という状態になれば、むしろ仕事は増えてしまいます。 大切なのは「導入すること」ではなく、「現場の負担が実際に減ること」です。 保育園でデジタル化できる主な業務 では、具体的にどのような仕事をデジタル化できるのでしょうか。 1.連絡帳や保護者へのお知らせ 紙の連絡帳やお便りを、アプリなどでやり取りする方法があります。一斉配信ができれば、同じ内容のお知らせを何度も伝える手間を減らせます。保護者にとっても、必要な情報をスマートフォンなどから確認しやすくなります。 2.出欠・登降園管理 園児の出欠や登降園の時間も、デジタルで管理できます。紙に記入した情報を別の書類へ書き写したり、あとから集計したりする作業を減らせる可能性があります。毎日繰り返す仕事だからこそ、一回あたりの小さな負担を減らすことが大切です。 3.書類の作成・管理 保育園では、日々さまざまな書類を扱います。紙で管理していると、書類を作成するだけではなく、印刷、整理、保管、検索といった作業も必要です。デジタルで管理することで、こうした作業にかかる手間を減らしやすくなります。 4.職員間の情報共有 申し送りや予定、園内のお知らせなども、デジタル化できる業務の一つです。必要な情報を一か所で確認できるようになれば、「どこに書いてあるかわからない」「聞いていなかった」といった行き違いを減らすことにもつながります。 保育に向き合う時間を増やす3つの方法 デジタル化によって生まれた時間を、先生方が子どもたちと向き合う時間につなげていくことが大切です。そのために、まず見直したいポイントを3つご紹介します。 1.紙の仕事を減らす 同じ情報を複数の書類に書いたり、紙に記録した内容をパソコンへ入力し直したりしている場合は、デジタル化によって作業をまとめられることがあります。一つひとつは短い作業でも、毎日繰り返せば多くの時間を使います。まずは、何度も同じ内容を記入・入力している業務がないか確認してみましょう。 2.業務を見える化して、やめられる仕事を見つける 「どの業務に時間がかかっているのかを確認する」「似たような作業を何度もしていないか確認する」仕事を速くすることだけが業務効率化ではありません。「やらなくてもいい仕事を、やめること」も大切です。デジタル化をきっかけに、園の業務そのものを整理してみましょう。 3.保護者との情報共有をスムーズにする 保護者へのお知らせや予定の共有なども、デジタル化を活用できる業務です。一斉配信などを活用することで、連絡にかかる時間を短縮できる場合があります。保護者にとっても、必要な情報を確認しやすくなるというメリットがあります。こうした一つひとつの改善によって生まれた時間を、先生方が子どもたちと向き合う時間につなげていきましょう。 園の困りごとを整理するところから始めます 保育園によって、抱えている課題は違います。書類作成に時間がかかっている園もあれば、保護者との連絡や職員間の情報共有に負担を感じている園もあります。そのため、同じデジタルツールをすべての園に導入すれば解決するわけではありません。 SINTERASでは、まず現在の仕事や困りごとを整理し、どこに負担が生まれているのかを考えます。そのうえで、デジタル化したほうがいい仕事、やり方を変えたほうがいい仕事、なくせる仕事を整理していきます。 目指しているのは、デジタルツールを増やすことではありません。先生方が本来の保育に集中しやすい環境をつくることです。 まとめ 保育園のデジタル化とは、紙や手書き、電話などで行ってきた仕事にデジタルツールを取り入れ、業務を効率化する取り組みです。連絡帳や登降園管理、書類管理、保護者への連絡など、さまざまな仕事で活用できます。 ただし、新しいツールを導入するだけでは、職員の負担が減るとは限りません。「どの仕事をデジタル化するか」と同時に、「どの負担を減らしたいのか」を考えることが大切です。まずは、日々の仕事を振り返り、より働きやすくできるところから考えてみましょう。小さな改善の積み重ねが、先生方が子どもたちと向き合える時間を増やすことにつながります。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育でAIを使うなら無料版と有料版どっち?|違いと選び方を解説
AIの無料版と有料版、どちらを使ったほうがいいのだろう。そんな疑問を持ったことはありませんか?何が違うのかわかりにくく、「自分にはどちらが合っているのだろう」と迷う先生も多いと思います。 この記事では、保育でAIを使うときに知っておきたい、無料版と有料版の違いと選び方をわかりやすく解説します。 保育でAIを使うとき、無料版と有料版は何が違う? 主な違いは次の3つです。 ・利用できる回数や上限・利用できるAIや機能・資料やファイルを扱える範囲 無料版でも、おたよりの文章を考えたり、行事のアイデアを出してもらったりできます。 違い1:利用できる回数や上限 無料版は利用上限があり、たくさん使うと一時的に制限されることがあります。一方、有料版は無料版より利用上限に余裕がある場合が多く、日常的にAIを使う先生に向いています。書類を作っている途中で利用制限に達すると、そこで作業が止まってしまいます。週に数回使う程度なら無料版、毎日のように使うなら有料版を検討するといいでしょう。 違い2:利用できるAIや機能 無料版でも、文章作成やアイデア出しなど、基本的な用途には活用できます。一方、有料版では、より多くの機能や高度なAIを利用できるサービスがあります。 たとえば、「遠足のお知らせを、保護者に伝わりやすい文章にしてください」という依頼なら、無料版でも使えるでしょう。過去のおたよりを参考に文章を作ったり、長い資料を扱ったり、画像作成などの機能を頻繁に利用したりする場合は、有料版が便利です。 違い3:資料やファイルを扱える範囲 AIサービスによっては、PDFや文書などを読み込ませ、その内容を参考に文章を作ってもらえます。 たとえば、 ・園の要覧・年間計画・行事計画・過去のおたより・文章作成のルール などです。 無料版でもファイルを扱えるサービスがありますが、回数や容量などに制限が設けられている場合があります。多くの資料を使いながらAIを活用したい場合は、有料版のほうが使いやすいでしょう。 無料版がおすすめな先生 次のような先生は、無料版から始めてみましょう。 ・AIを初めて使う・文章づくりを手伝ってほしい・保育や行事のアイデアを相談したい・週に数回程度使いたい 最初から有料版を契約する必要はありません。実際に使うことで、自分がAIをどんな仕事に活用したいのかが見えてきます。 有料版がおすすめな先生 次のような先生は、有料版を検討してもいいでしょう。 ・AIをほぼ毎日使っている・利用制限に困ることが増えた・園の資料やファイルを活用したい・画像作成などの機能も積極的に使いたい・毎月繰り返す仕事を効率化したい サービスによっては、仕事の流れを自動化できる機能が利用できるものもあります。 保育でAIを使う前に確認したいこと 無料版か有料版か以上に大切なのが、「AIに何を入力するか」です。 保育では、子どもや家庭に関する大切な情報を扱います。園児の氏名、顔写真、住所、家庭状況、発達に関する記録などを、安易にAIへ入力することは避けましょう。 園でAI利用のルールがある場合は、そのルールに従ってください。 有料版を申し込む前に確認したいこと 有料版を申し込む前に、 ・料金・利用上限・利用できる機能 を確認しましょう。 「有料なら何でもできる」というわけではありません。自分が使いたい機能が含まれているか、公式サイトで最新情報を確認してから申し込みましょう。 まとめ AIを初めて使う先生は、無料版から始めれば十分です。おたよりの文章を考えたり、行事のアイデアを相談したりするだけでも、仕事を助けてもらえます。そして、より快適に使いたいと感じたら、有料版への切り替えを考えましょう。 大切なのは、有料版を使うことではありません。AIを使って事務作業を減らし、その分、子どもと向き合う時間や心の余裕を増やすことです。 よくある質問(FAQ) Q. 無料版だけでも保育の仕事に使えますか? A. 使えます。文章づくりやアイデア出しなど、基本的な使い方であれば無料版でも活用できます。 Q. 無料版は途中で使えなくなることがありますか? A. 利用上限に達すると、一時的に制限されることがあります。上限はサービスや時期によって異なります。 Q. 有料版の料金はどのくらいですか? A. サービスやプランによって異なります。申し込む前に公式サイトで最新料金を確認しましょう。 Q. 無料版と有料版で使える機能は変わりますか? A. 変わる場合があります。有料版では、利用できるAIや機能、利用上限などが拡張されるサービスがあります。 Q. 有料版に切り替えるタイミングはいつですか? A. 利用上限や機能に不便を感じるようになったときが目安です。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

AIで週案を作るコツ3つ|クラスに合った週案になるプロンプト例も紹介
「ChatGPTなどのAIを使えば、週案がすぐに作れそう」そう思って試してみたものの、「内容がありきたり……」「うちのクラスには合わない……」と感じたことはありませんか。 これは、AIが使えないからではありません。多くの場合、「AIに渡している情報が足りない」ことが原因です。 例えば、「3歳児の週案を作ってください」と頼むだけでは、AIは一般的な4歳児の姿をもとに週案を考えます。でも、先生が毎日見ている「目の前の子どもたち」のことは、AIには分かりません。そこで大切になるのが、先生が持っている情報です。 AIは先生の代わりに保育を考えるものではありません。先生が見ている子どもの姿や、「こんな育ちにつなげたい」という思いを整理して、週案のたたき台にすることが得意です。 クラスに合った週案をAIで作るために、伝えたい情報は主に3つあります。 子どもの今の姿 先生のねらい 去年の週案などの参考資料 この記事では、保育園・幼稚園・認定こども園の先生がすぐに試せる「AIで週案を作る3のコツ」と、そのまま使えるプロンプト例を紹介します。 コツ1|子どもの「今の姿」をAIに伝える まず伝えたいのは、今の子どもたちの姿です。普段の保育で気づいていることを、箇条書きで書くだけでも十分です。 たとえば、 虫探しに夢中になっている 友達とのごっこ遊びが増えてきた 順番を待つことがまだ難しい 運動会を楽しみにしている 自分でやりたい気持ちが強くなっている といった内容です。 「3歳児」という年齢だけではなく、「今、この子どもたちは何に夢中なのか」「どんなところでつまずいているのか」を伝えます。するとAIも、その姿をもとに活動や援助を考えやすくなります。 ポイントは、うまくいっていることだけを書かないことです。「まだ順番を待つことが難しい」「自分の気持ちを言葉にするのが難しい」といった姿も大切な情報です。 今の姿が分かれば、AIに「次の育ちにつながる活動を考えて」と相談できるようになります。 コツ2|先生が大切にしたい「ねらい」を伝える 次に伝えたいのが、その週のねらいです。 たとえば、 季節の自然に触れてほしい 友達との関わりを増やしたい 自分の思いを言葉で伝えてほしい 最後まで挑戦する経験をしてほしい などです。 同じ「虫探しが好きな3歳児クラス」でも、先生が何を大切にするかによって週案は変わります。「友達との関わりを増やしたい」のであれば、友達と一緒に虫を探したり、見つけた虫について話したりする活動が考えられます。一方で、「自分で調べる楽しさを経験してほしい」のであれば、図鑑を使って虫の名前や特徴を調べる活動が考えられます。 つまり、 「子どもの今の姿」+「これから育ってほしい姿」 をAIに伝えることが大切です。先生のねらいが、AIが週案を考えるときの道しるべになります。 コツ3|去年の週案をAIの参考資料にする もう一つ役立つのが、去年の週案です。ただし、去年の週案をそのまま使うわけではありません。 「参考資料」としてAIに渡します。 去年の週案には、 季節ならではの活動 園で使える教材や材料 行事の進め方 園でよく行う遊び 週案の書き方や表現 過去に子どもたちが楽しんだ活動 など、その園だからこそ分かる情報が入っています。これはAIが最初から知っている情報ではありません。去年の週案を参考資料として使うことで、AIが「その園で実際にできること」を考えやすくなります。 そして、 「去年の実践」「今年の子どもの姿」「今年の先生のねらい」 を組み合わせます。 これだけでも、単に「3歳児の週案を作って」と頼むより、かなり具体的な週案を作りやすくなります。 個人情報には注意しましょう 過去の週案をAIに読み込ませる場合は、個人情報の取り扱いに注意してください。こどもの氏名など、個人を特定できる情報は削除しましょう。また、園や法人などで生成AIの利用ルールが定められている場合は、そのルールを確認したうえで利用してください。 ChatGPTで使える週案AIプロンプト例 では、実際にAIへどのように頼めばよいのでしょうか。プロンプト例をご紹介します。※プロンプトとは、AIへ送る指示文のことです。難しい言葉で書かなくても大丈夫です。むしろ、必要な情報を箇条書きで伝えるほうが簡単です。《プロンプト例》----------------------------------------------------- 4歳児クラスの週案のたたき台を作ってください。 保育所保育指針を踏まえて考えてください。 【今のクラスの姿】 ・虫探しに夢中になっている ・友達とのごっこ遊びが増えてきた ・順番を待つことがまだ難しい 【今週大切にしたいこと】 ・季節の自然に触れてほしい ・友達との関わりを増やしたい 【園でできること・参考資料】 ・去年の同じ時期には、園庭で虫を探し、図鑑で調べる活動をした ・園には虫かごと図鑑がある ・園庭で虫探しができる 以上を踏まえて、 ・ねらい ・活動内容 ・予想される子どもの姿 ・保育者の援助や配慮 の案を作ってください。 ----------------------------------------------- 一般的な内容だけで決めず、不足している情報があれば、週案を作る前に質問してください。 最初から完璧な週案を作ってもらおうとしなくても大丈夫です。まずは「たたき台」を作ってもらいましょう。 そのうえで、 「この活動は今のクラスには難しそう」「もっと外遊びを増やしたい」「友達との関わりを中心に考え直して」とAIに伝えて修正していきます。一度で完成させるのではなく、AIと会話しながら調整するイメージです。 週案づくりは「AIに任せる部分」と「先生が考える部分」を分ける AIを使うときに大切なのは、何でもAIに任せないことです。先生とAIの役割を分けて考えると、使いやすくなります。 AIに任せやすいこと先生がすること情報を整理する子どもの姿を見る活動案を広げる育ってほしい姿を考える週案のたたき台を作る園やクラスの状況を伝える文章を整える内容が適切か判断する修正案を出す最終確認をする AIは文章を作ることはできます。でも、目の前の子どもたちを毎日見ているわけではありません。「今日はいつもより楽しそうだった」「最近、この遊びを何度も繰り返している」「この子たちなら、次はこんなことを楽しめそう」 こうした小さな変化に気づけるのは、実際に子どもと関わっている先生です。だからこそ、先生が考えることをやめる必要はありません。むしろ、先生にしか分からない情報をAIに渡すことで、AIをもっと便利に使えるようになります。 AIで週案を作るときは「情報を渡す」と考えよう AIでクラスに合った週案を作るコツをまとめます。 子どもの今の姿を伝える 先生が大切にしたいねらいを伝える 去年の週案など、園の情報を参考資料として渡す 大切なのは、「AIに何を書かせるか」よりも、「AIに何を教えるか」です。先生が持っている情報をAIへ渡し、AIに整理や文章化を手伝ってもらいましょう。まずは今日、今のクラスの様子を3つだけ書き出してみてください。それをAIに渡すだけでも、出てくる週案は変わってくるはずです。 よくある質問 Q. ChatGPTに週案を頼むと、どのクラスも同じ内容になりませんか? 「○歳児の週案を作ってください」だけでは、似た内容になりやすいです。子どもの今の姿、先生のねらい、園でできる活動などを伝えることで、そのクラスに合わせた案を作りやすくなります。 Q. 去年の週案をそのままAIに渡してもよいですか? 去年の週案は、参考資料として活用できます。ただし、子どもの氏名など個人情報が含まれている場合は削除してください。園や自治体で生成AIに関するルールがある場合は、そちらも確認しましょう。 Q. AIで作った週案をそのまま提出してもよいですか? AIが作った内容は「たたき台」として考えるのがおすすめです。クラスの実態、園の方針、その日の子どもの姿などに合っているかを先生自身が確認し、必要な部分を修正して使いましょう。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/🎁 特典:『週案アシスタントAI』プレゼント!友だち追加後、キーワード「週案」を入力してください! 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園でAI活用は必要?保育士が知っておきたい役割と上手な付き合い方
「保育園でもAIを使った方がいいのでしょうか?」そんな疑問を持つ保育士の方が増えています。大切なのは、AIという選択肢を知ったうえで、自分や園に合った付き合い方を選ぶことです。保育士にしかできない仕事は、これからも変わりません。 一方で、AIが得意な仕事を任せることで、子どもと向き合う時間を増やせる可能性があります。 この記事では、保育園でAIをどのように活用できるのか、保育士にしかできない役割、そして無理なく始める方法を紹介します。 保育園でAI活用が注目されているのはなぜ? 近年、保育園では登降園管理や連絡帳などのデジタル化が広がっています。その流れの中で注目されているのが、ChatGPTをはじめとした生成AIです。 生成AIは文章作成や情報整理を得意としており、保育士の事務作業をサポートするツールとして活用されています。 保育園でAIは使ったほうがいい? AIを使う先生もいます。AIを使わない先生もいます。どちらが正解ということではありません。園の方針や仕事内容、先生自身の考え方によって、最適な使い方は変わります。周りが使っているからという理由で、無理に導入する必要もありません。 ただ、一度はAIに触れてみることをおすすめします。知ったうえで判断することで、自分に合った付き合い方を選びやすくなるからです。 保育園でAIは何ができる? AIが得意なのは、文章作成や情報整理などの事務作業です。 たとえば、次のような業務をサポートできます。 おたより・園だよりの下書き 行事案内文の作成 指導計画の文章整理 研修レポートの要約 会議の議事録整理 保護者向け文書の言い回し改善 こうした作業を効率化することで、日々の業務負担を軽減できます。 AIではできない保育士の仕事とは? AIにはできない仕事もあります。それは、人と向き合うことです。 保育士だからこそできる仕事には、次のようなものがあります。 子どもの気持ちに寄り添う 小さな成長に気づく 保護者の不安や悩みを受け止める 一人ひとりに合った関わりを考える 信頼関係を築く 保育の本質は、人と人との関わりです。この役割は、AIが代わることはできません。 保育園でAI活用を始めるには? AI活用は、小さく始めることがおすすめです。 まずは次の3ステップを試してみましょう。 負担に感じている仕事を1つ選ぶ AIに「どうすれば効率化できるか」を相談する 内容を確認し、自分で判断して活用する AIは提案をしてくれる存在です。最終的に判断するのは保育士です。 保育園でAIを使う目的は? AI活用の目的は、仕事を減らすことだけではありません。 本当に増やしたいのは、次のような時間です。 子どもと向き合う時間 保護者と丁寧に話す時間 職員同士で相談する時間 心に余裕を持つ時間 AIは、その時間を生み出すための選択肢の一つです。 まとめ 保育園でのAI活用は、保育士の仕事を代わるためのものではありません。文章作成や書類整理などの事務作業をサポートし、保育士が本来の保育に集中できる環境づくりを支えるツールです。まずは身近な業務から試してみることで、自分や園に合った活用方法が見つかるでしょう。 保育園のAI活用に関するよくある質問 Q. 保育園でAIを使うと保育士の仕事はなくなりますか? A. いいえ。AIが得意なのは文章作成や情報整理などの事務作業です。子どもや保護者と向き合う仕事は、保育士にしかできません。 Q. ChatGPTは保育園でどのように活用できますか? A. おたよりや園だよりの下書き、行事案内文の作成、指導計画の文章整理、研修レポートの要約などに活用できます。 Q. AIに保育の判断を任せてもいいですか? A. おすすめできません。AIは相談や文章作成をサポートするツールです。最終的な判断は保育士が行うことが大切です。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/ 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738 -

保育園のアンケート集計を自動化|Google Workspace Studioで集計・分析・報告まで時短
行事が終わると、次に待っているのがアンケートの集計です。回答数を数えたり、自由記述を読んで意見をまとめたり、園長や職員へ報告したり……。保育が終わってから、この作業に時間を取られている先生も多いのではないでしょうか。 実は、この一連の作業はGoogle Workspace Studioを使うことで自動化できます。AIが集計や整理、報告文の作成を行い、先生は内容を確認して保育へ集中することができます。 この記事では、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートに集まったアンケートを、自動で集計・分析し、職員へ報告する方法を紹介します。 Google Workspace Studioとは Google Workspace Studioは、Googleの作業を自動で進めてくれるAIツールです。GoogleフォームやGoogleスプレッドシート、Gmailなどを組み合わせることで、毎回同じ手順で行っている作業を自動化できます。 たとえば、 アンケートを集計する 自由記述を整理する 報告メールを作成して送信する という一連の流れも、自動で実行できます。 Workspace Studioでは、この自動化の流れを「フロー」と呼びます。 この記事で使用する主なサービスは次の3つです。 Googleフォーム Gmail Googleスプレッドシート アンケート業務で自動化できる3つの作業 Google Workspace Studioを使うと、アンケート回答が集まったあとの作業をまとめて自動化できます。 作業自動化される内容集計回答数やクラス別の内訳を整理分析自由記述を「良かった点」「改善点」などに分類報告集計結果を職員向けメールとして送信 自動化の設定方法 ここでは、保育参観アンケートを例に紹介します。 手順1 Googleフォームを作成する まずは保護者向けアンケートをGoogleフォームで作成します。 設問例 子どものクラス 参観内容の満足度 良かった点 改善してほしい点 先生へのメッセージ フォームを作成したら、Googleスプレッドシートと連携をします。回答が送信されるたびに、スプレッドシートへ自動で追加される状態にしておきましょう。※フォームの作成方法は前回のコラム記事を確認して下さい。https://sinteras.net/wp/wp-admin/post.php?post=563&action=edit 手順2 Workspace Studioへ指示を入力する 次に、Google Workspace Studioを開きます。チャット欄で、自動化したい内容をGeminiに指示します。※手動でも設定可能ですが、今回はチャットでの指示をご紹介します。 指示には次の内容を入れるとスムーズです。 実行日時 使用するスプレッドシート 集計・分析内容 報告メールの形式 送信先 《入力例》〇月〇日午後5時に、保育参観アンケートの回答が保存されているGoogleスプレッドシートを確認してください。回答数とクラス別の内訳を集計し、自由記述から「良かった点」「改善を求める意見」「次回への提案」を整理してください。結果を職員向けメールにまとめて送信してください。回答にない内容は推測せず、少数意見と全体傾向を分けて記載してください。 手順3 フローの内容・流れを調整する Geminiが作成したフローを確認します。 主に確認するのは次の4点です。 報告日の設定 Googleフォーム集計を連携 Geminiへの分析・要約指示 メールでの報告の設定 分析方法を具体的に指示すると、報告内容もより読みやすくなります。Geminiへの分析・要約指示では、次のように入力します。《Geminiへの指示例》回答数とクラス別の内訳を集計してください。自由記述は「肯定的な意見」「改善を求める意見」「その他の意見」に分類してください。回答にない事実は追加せず、少数意見を全体の総意として扱わないでください。最後に、次回の行事に向けた改善案を3つ以内で提示してください。 手順4 本番前にテストする 本番運用の前に、必ずテスト回答で確認しましょう。 確認したいポイントは次のとおりです。 正しいスプレッドシートを読み込んでいるか 回答数は正しいか 自由記述の内容が適切に整理されているか 個人名など不要な情報が含まれていないか 正しい宛先へ送信されるか 読みやすい報告文になっているか 問題がなければフローを有効にします。設定した日にフローが実行されると、次のような報告メールを作成できます。回答数だけでなく、良かった点、改善点、次回への提案まで整理できます。《報告メールの出力例》保育参観アンケートの集計結果を報告します。【集計概要】回答数:合計4件--クラス別内訳--0歳児・ひよこ組:2件1歳児・りす組:1件2歳児・うさぎ組:1件【良かった点】子どもの成長や、普段の活動の様子を確認できたという意見がありました。 園での子どもの姿を見ることで、安心できたという声もありました。【改善を求める意見】当日の活動内容について、もう少し詳しい説明がほしかったという意見がありました。事前案内の内容や配布時期を改善してほしいという声もありました。【次回に向けた提案】 参観開始前に、当日の活動内容と見どころを説明します。事前案内の内容と配布時期を見直します。 個人情報を扱う際の注意点 アンケートには子どもや保護者に関する情報が含まれる場合があります。 利用する際は、園や法人の個人情報保護方針を確認しましょう。 特に確認したいポイントは次の3つです。 分析に不要な個人情報は入力しない メールは必要な職員だけに送信する AIが作成した内容は必ず先生が確認する AIは判断するための材料を整理する役割です。最終的な判断は先生が行いましょう。 まとめ Google Workspace Studioを使えば、保育園のアンケート集計から分析、報告メールの作成までを自動化できます。集計作業にかかる時間を減らせれば、そのぶん保護者の声を保育へ生かしたり、子どもたちと向き合ったりする時間を増やせます。また、アンケート集計後に大切にしたいことは、①どう受け止めるか②何を改善するか③次の保育にどう活かすか結果を次にどう繋げるかは、先生にしか考えることができません。AIは先生の代わりに保育をするものではありません。先生が本来の仕事に集中できる時間をつくるための道具です。まずは園の管理者にWorkspace Studioが利用できるか確認し、次の行事アンケートでテスト運用から始めてみてはいかがでしょうか。 \ LINE公式アカウントで配信中 💬/🎁 特典:『Google Workspace Studio操作手順動画』プレゼント!友だち追加後、キーワード「スタジオ」を入力してください! 📢 無料セミナー開催中最新のセミナー情報はLINEからご確認いただけます。 ▼ 友だち追加はこちらからhttps://line.me/R/ti/p/@607bbmym?oat__id=4783738