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園児募集は「説明会前」に始まっている―選ばれる園の新常識

「施設数は増えているのに、お子さんの数は減っている」

今、多くの園が「定員割れ」という深刻な課題に直面しています。特に3歳児の確保に苦戦しているという声は、私たちが支援する現場でも後を絶ちません。

かつては行政からの情報や近所の口コミが中心だった園選び。しかし現代の保護者さんは、自らSNSやインターネットで情報を集め、入園前から徹底的に比較検討を行っています。

つまり、説明会に足を運んでもらう以前の、デジタル上での「最初の接点」ですでに勝負は始まっているのです。この段階で情報が不足していたり、園の良さが伝わらなかったりすると、比較対象にすら入らない可能性もあります。

今回は、労力を最小限に抑えつつ、園の魅力を最大化して伝えるための循環型園児募集戦略について具体的に解説します。

大前提は「知ってもらうこと」と「設計図」の作成

最も重要なのは「誰に、何を伝えるか」を最初に設計することです。ここが曖昧なままSNSを更新したりチラシを撒いても、成果の理由が分析できず、改善も再現もできません。頑張って発信しているのに手応えがない場合、多くはこの「設計」が抜け落ちています。

園児募集は、次の3ステップで考えると整理しやすくなります。

① 知ってもらう=認知

現代の保護者さんは、まずスマホで検索します。Googleマップに園は表示されるか、そしてSNSやホームページで、園の雰囲気が「正しく伝わっているか」を確認しましょう。

② 入園したいと思ってもらう=信頼

設備や教育内容だけでは、他園との差別化は難しくなっています。大切なのは、日常の空気感や、先生・お子さんたちの表情が伝わる情報発信が、保護者さんの「ここなら安心できそう」という感情を育てます。

③ アクションへ導く=動線

興味を持ってくれた保護者さんを、どうやってイベント予約や公式LINE、見学申し込みへ繋げるか。「気になる」で終わらせず、次の一歩が自然に見える導線設計が、成果を左右します。

既存のリソースを活かした「体験型イベント」の力

園の魅力を伝える最も強力な手段は、実際に園を訪れてもらうことです。とはいえ、新しいイベントをゼロから企画するのは大きな負担になります。

そこでおすすめなのが、在園児向けの既存行事を未就園児さんに開放するスタイルです。

・園の給食を親子で体験
・夏祭りや七夕飾り作りなどの季節行事への参加

こうした日常に近い体験は、保護者さんにとって入園後の姿を最もイメージしやすい機会となります。「特別なイベント」ではなく、「いつもの園」を見てもらうことが、入園後のギャップを減らすことにもつながります。

さらに、1〜2歳児を対象とした継続的な「親子クラス」を設けることで、入園への自然な流れを作っている成功事例も増えています。

アンケートこそが最強の広報コンテンツ

イベントは、開催して終わりではありません。 実は、イベント終了後のアンケートにこそ、次の入園者を呼び込む宝が眠っています。

「参加して良かった」「園の雰囲気がよく分かった」といった保護者さんの生の声は、何よりも信頼性の高い広報資料になります。

現代の口コミの影響力は絶大です。質の高い口コミを園側が意図的に集め、SNSやホームページで外へ向けて発信することで、園のファンが雪だるま式に増えていきます。

まとめ

園児募集を成功させるために、完璧を求める必要はありません。最初から100点を目指して開始が遅れるよりも、60〜70点でもいいのでまずは実行に移し、そこから改善を重ねていくスピード感こそが重要です。

大切なのは、一つ一つの施策を「点」で終わらせず、イベントからアンケートへ、アンケートからLINE登録へ、そして見学会へと繋げる「循環の設計」です。

新しい施策が先生方の負担になり、退職を招いては本末転倒です。無理のない範囲で、まずは週に1回の発信から始めてみませんか?その一歩が、地域に愛され、選ばれ続ける園への第一歩となります。