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情報漏洩の「鎖」を強くする!園の信頼を守るためのセキュリティ基礎知識

「ICT化は便利そうだけれど、情報漏洩が怖い…」

多くの園長先生や保育現場の先生方が抱くこの不安は、大切なお子さんの情報を預かるプロとしての、非常に健全な危機管理意識の表れです。

しかし一方で、今の時代にデジタルを過度に避けること自体が、「アナログゆえのリスク」を生んでいるという事実にも目を向けなければなりません。

大切なのは「デジタル=怖い」と遠ざけるのではなく、正しい知識という「シートベルト」を締め、安全にICTという「便利な車」を乗りこなすことです。本コラムでは、園が扱う重要な情報資産を脅威から守るための基礎知識を解説します。

セキュリティの強さは「最も弱い輪」で決まる

情報セキュリティを一本の鎖に例えてみましょう。どれほど高価で強力なウイルス対策ソフト(=頑丈な輪)を導入していても、たった一箇所に「弱い輪」が混ざっていれば、鎖はそこから簡単にちぎれてしまいます。

保育現場における「最も弱い輪」とは、実はシステムの性能不足ではなく、職員一人ひとりの「意識と行動」なのです。

・お子さんの個人情報が入ったUSBメモリを外出先で紛失した
・求職者の方の履歴書を、誰でも見られる場所に置きっぱなしにした
・保護者さん宛のメールで、宛先の設定を間違えて一斉送信してしまった
・パスワードを付箋に書いてパソコンのモニターに貼っていた

これらはすべて、システムを最新にすることでは防げない「人の振る舞い」によるものです。園の情報資産を守るためには、システムに頼り切るのではなく、全員がルールを遵守する組織文化を作ることが不可欠になります。

デジタルとアナログ、それぞれのリスクを正しく比較する

「デジタルはハッキングが怖いから、紙のほうが安全だ」という声を現場でよく耳にしますが、果たして本当にそうでしょうか。改めて、デジタルとアナログのリスクを冷静に比較してみましょう。

【アナログのリスク】

災害に弱い:火災、浸水、地震などで物理的に消滅する恐れがある
管理の不透明さ:誰がいつ持ち出したか、コピーしたかの履歴が残らない
劣化する:時間の経過とともに劣化し、判読不能になる

【デジタルのリスク】

サイバー攻撃:不正アクセスやウイルスによる情報流出の脅威
操作ミスによる拡散:クリック一つで不特定多数に情報が流れるリスク
システム障害:停電や通信障害時にデータへアクセスできなくなる

このように比較すると、どちらが絶対的に優れているわけではなく「それぞれに異なるリスクがある」ことが分かります。 両者の特性を正しく理解し、バランスよく対策を講じることが、これからの園運営のスタンダードです。

今日から実践できる3つのセキュリティ対策

セキュリティ対策と聞くと、「難しいシステム設定が必要なのでは?」と思われがちですが、決してそれだけではありません。今日から現場ですぐに取り組める、具体的かつ効果的な3つの対策をご紹介します。

【人的対策】「迷ったら報告」と言い合える組織文化

セキュリティの最大の防御壁は「先生同士のコミュニケーション」です。 万が一、ミスや不明な点が発生した際、すぐに相談できる風通しの良い環境を作ることが、被害を最小限に抑える鍵となります。隠すことが最大の二次被害を招くということを、職員全体で共有し、些細なことでも声を掛け合える文化を育みましょう。

【物理的対策】USBメモリ等の持ち出し禁止や施錠の徹底

情報漏洩の原因として最も多い「紛失事故」を防ぐため、個人情報を含むデータの取り扱いルールを厳格化しましょう。

・個人所有のUSBメモリやSDカードは使用しない
・どうしても持ち出す必要がある場合は、暗号化機能付きのデバイスを使用し、上司の承認を得る
・求職者の方の書類や、個人情報が載った指導計画などは、必ず鍵のかかるキャビネットに保管する

【技術的対策】「命名規則」と「仮想ゴミ箱」でミスを防ぐ

パソコン操作によるミスを防ぐためには、日々の整理整頓が有効な技術的対策となります。

・ファイル名に【日付+版数】を入れるルールを徹底し、古い情報を保護者さんに送ってしまうリスクを削減
・削除を迷うファイルを一時的に保管する「ゴミ箱フォルダ」を作り、作業環境を常にクリーンに保つ

まとめ

適切な情報管理を徹底する姿勢は、保護者さんや求職者の方からの「この園なら、私たちの情報を大切に扱ってくれる」「プロとしての意識が高い園だ」という確かな信頼へと変わっていきます。

まずは身近な整理整頓から、園の安心と信頼を守る一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?